血清鉄とフェリチンの関係性〜基準値より低い・高い場合〜

血清鉄とは?

血液の成分のうち、血液が凝固したときに上澄みとして残る淡い黄色の液体を血清と言います。
血液中に含まれる鉄は、その血清の中に含まれるため血清鉄と言い、赤血球の赤い色の色素であるヘモグロビンの原料になります。

 

ヘモグロビンは、酸素と結びつきやすい性質を持っているため、血管内を通り体内の隅々まで酸素を運ぶ役割をしている血液成分です。

 

ですから、もし血清鉄が不足すると、新たに作られるヘモグロビンの量が減るため、体中の細胞が酸欠の状態になってしまい、倦怠感が強くなったり、めまいや頭痛などの不快症状が起こったりするようになります。

血清鉄の基準値

血清鉄を測る場合、

  • 男性は60〜210μg/dl
  • 女性は50〜170μg/dl

が基準値ですから、それより低いときは、鉄欠乏性貧血を、高い場合ときはヘモクロマトーシスなどを疑います。

ヘモクロマトーシスとは?

先天的または後天的な原因によって、体内貯蔵鉄(健康な人の体内鉄含量は1〜3g)が異常に増加し、肝臓、膵臓、心臓、皮膚、関節、下垂体(かすいたい)、精巣などの諸臓器の実質細胞に過剰に沈着し(鉄蓄積症(てつちくせきしょう))、その結果それぞれの臓器の実質細胞障害をもたらす病気です。
(引用:https://health.goo.ne.jp/medical/10I20400

 

血清鉄と貯蔵鉄

血液中に存在する鉄を血清鉄と呼ぶのに対して、肝臓や脾臓、心臓のような臓器や、骨髄、粘膜などでフェリチンの形で貯蔵されている鉄を貯蔵鉄と呼びます。
つまり、体の中には血清鉄と貯蔵鉄という2種類の鉄が存在するのです。

 

このうち血清鉄の方は、酸素を運んだり、細胞を作ったり、エネルギーを生み出したりといった生命の維持に使われる鉄ですから、常に血液中に必要な量が存在するように、使われる量と補充される量のバランスが保たれている必要があります。
ですから、食事で摂取される鉄分が少ないときや、排泄されたり、破壊されたりする鉄分が多いときは、体に入ってくる鉄の量と、出て行く鉄の量のバランスを取るために、貯蔵鉄が血液中に血清鉄として放出される仕組みになっているのです。

 

鉄欠乏性貧血のときの血清鉄とフェリチンの関係

貧血の症状が出たとき、血液検査で血清鉄とフェリチンの数値を調べると、血清鉄とフェリチンの両方が低い場合だけでなく、血清鉄は高い値であるのに、フェリチンは低い値という場合もあります。

 

これは、フェリチンの値を調べないと気がつきにくい隠れ貧血のパターンです。

 

もし、この状態のまま摂取する鉄分が増えず、使われたり排泄されたりする鉄分ばかりが増え続けると、血清鉄も減少し始めるため、明らかに鉄欠乏性貧血であるという診断が下ります。
血清鉄が減り始めた時点で鉄を補給する治療を始めた場合には、血清鉄が回復しても、すぐにはフェリチンの方まで鉄が行き渡らず、フェリチンの数値は増えません。
ですから、血清鉄の値が正常値になった後も、フェリチンの値が回復するまできちんと治療を続ける必要があります。