フェリチンとむずむず脚症候群の関係性〜足や全身がむず痒い原因〜

寝ている時、なんだか脚がむずむずしてむず痒い、ムカデのような虫が這っているような感覚がある…。
足だけでなく、背中や腰など全身が気になってしまい、じっとしていられない!

 

その症状、「むずむず脚症候群」と呼ばれる病気かもしれません。
そして、むずむず脚症候群とフェリチン不足は、関係している可能性があるんです。

 

むずむず脚症候群と言えば、まだ詳しい原因が解明されていない病気ですが、フェリチン不足とむずむず脚症候群にはどのような関係があるんでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

フェリチンの概要

当サイトのTOPページ(こちら)を読んで頂くと分かりやすいですが、フェリチンとは、鉄を蓄えておく事が出来るタンパク質の事です。

フェリチン

血液中の鉄分が不足した場合、ここから鉄分が放出されて血液中の鉄分を正常にする役割を持っています。

 

血液中の赤血球やヘモグロビン値が正常なのに、鉄欠乏性貧血の症状が出る場合は、フェリチンが不足している事が原因の場合が多いんです。

 

むずむず脚症候群とは?

むずむず脚症候群は、レストレスレッグス症候群とも言われています。
むずむず病と略す方もいらっしゃいますね。

むずむず脚症候群

脚を虫が這っているようなむずむずする感覚があったり、電流が流れているような不快感を持ったりする事から、その名前で呼ばれます。
症名には「脚」とついていますが、足だけでなく、腰や背中、その他全身も同じような感覚に襲われることもあります。

 

実は多いむずむず病

むずむず脚症候群は、実は人口の2〜5%の人がかかっていると推定されている、比較的多く見られる病気です。
どの年代でも見られますが、60〜70歳代の方が最も多いようです。

 

むずむず脚症候群の症状

むずむず脚症候群の症状として、

  • 脚(皮膚)の奥の方に気持ち悪い感覚があって寝付けなくなる
  • 夕方から夜にくつろいでいると症状が出てくる
  • 夕方から夜にかけて強まる事が多い
  • しばらく座っているなどじっとしていると症状が出てくる
  • 症状が出ると動かしたくなって止められなくなる
  • 歩き回ったり動いているとその感覚がなくなる

というものがあります。
このむずむず脚症候群は、まだはっきりとした原因は分かっていませんが、脚の病気ではなく神経に関連した病気だと考えられています。
そして、むずむず脚症候群はフェリチン不足とも関連があると考えられているんです。

 

むずむず脚症候群とフェリチン不足の関係

むずむず脚症候群の症状がある高齢者に、硫酸第一鉄を一日に3回ずつ、200rを2カ月間続けて投与したという実験があります。
その実験では、およそ3分の1の患者の症状が改善されたんですが、その3分の1の患者さんのほとんどがフェリチンの血中濃度が低かったそうです。

むずむず脚症候群

それも、鉄分自体の血中濃度は正常値で、鉄欠乏性貧血ではなく、フェリチンだけが不足していたんです。
そのため、多くのむずむず脚症候群の専門家は、まずフェリチンの血中濃度の測定を勧めているそうです。

 

それでは、なぜフェリチンが不足するとむずむず脚症候群になってしまうんでしょうか。
これには、神経伝達物質のドーパミンが関係していると考えられています。

神経

ドーパミンには神経の興奮を抑える働きがあるんですが、フェリチンがこのドーパミンの材料になっているんです。
つまり、フェリチンが不足するとドーパミンも不足します。
すると、運動や感覚を制御する神経が過剰な興奮状態になり、むずむず脚症候群を発症すると考えられているんです。

 

むずむず脚症候群は放置しても大丈夫?

症状だけを見ると、むずむず脚症候群は脚に不快感があるだけで、それほど深刻な病気には思えないかもしれません。
しかし、むずむず脚症候群は夕方から夜に発症する事が多く、不眠の原因になりやすいんです。

 

精神的な病気にも繋がる

むずむず脚症候群の患者さんの多くは不眠に悩んでおり、寝てもすぐに目が覚めてしまいますから、睡眠の質も悪化します。

睡眠不足

すると、日中の眠気や疲労感、集中力の低下などに繋がり、日常生活に支障を来しますし、精神的にも悪影響を及ぼして、不安になったり鬱状態になったりしてしまう事もあるんです。

 

心臓や血管の病気にも繋がる

さらに、むずむず脚症候群の患者さんは交感神経の活動が活発になっていますから、血圧が上がったり脈拍が増えたりする傾向が見られます。
そうすると、心筋梗塞や脳卒中などの心臓や血管に関する病気を発症する危険性が高まるんです。

心臓発作

むずむず脚症候群の患者さんの心血管疾患発症のリスクは、2.07倍だと言われています。
また、鬱病発症のリスクも2.32倍に高まるんだそうです。
むずむず脚症候群は、放置しておいていい病気ではないんです。

 

むずむず脚症候群だと思ったら何科の病院へ行けばいいの?

むずむず脚症候群になってしまうと、十分な睡眠が取れずに非常に辛い思いをするようになります。
でも、むずむず脚症候群になった時に何かの病院に行けばいいのか分からない、という人も多いでしょう。
外科でしょうか、それとも内科でしょうか。
実は、そのどちらでもありません。

精神科や神経内科へ!

むずむず脚症候群だと思ったら、睡眠専門医や睡眠障害を見てくれる精神科や神経内科に行った方がいいんです。

病院

精神科では、抑うつや不安といった心の病気や睡眠障害の治療を行っています。
また、神経内科は脳や神経に関係する疾患を診察してくれる内科です。
むずむず脚症候群は睡眠障害と深く関連していますし、神経も深く関係していると考えられていますから、精神科や神経内科で診断が行われているんです。

 

むずむず脚症候群を改善するには?

むずむず脚症候群は、生活習慣を見直す事で症状を改善できる場合があります。
まず、カフェインを含む飲料やアルコール、煙草を控えましょう。
これらは症状を悪化させて睡眠にも悪影響を及ぼします。
また、適度な運動を取り入れましょう。
もちろん、フェリチン不足が原因と考えられているんですから、鉄分不足には注意が必要です。
鉄欠乏性貧血の症状がある方は、病院でフェリチン値を調べてもらうと良いでしょう。
また、座っている時には会話や趣味など自分なりに他の事に集中して、症状から注意を逸らしましょう。

 

さいごに

むずむず脚症候群は、テレビやマスコミなどに取り上げられた事もあり、多少は知名度も上がっていますが、まだまだ理解はそれほど進んでいません。
そのため、不眠の苦しさが理解されず、周囲の人からは、怠けているなどと思われてしまう事もあるようです。
ですが、むずむず脚症候群はうつ病や心血管疾患にもつながる病気です。
軽く考えずに早めに治療を受けるようにしましょう。