フェリチンと摂食障害の関係性〜不足すると強迫性障害に?〜

フェリチンとは、鉄を貯蔵する事の出来るタンパク質の事で、これが不足すると、血液中の赤血球やヘモグロビン値が正常でも鉄欠乏性貧血の症状を起こす事があります。
そして、フェリチン不足によって起こる症状は、貧血だけではありません。
フェリチン不足は、摂食障害とも関連があると考えられているんです。
フェリチン不足と摂食障害の関係についてご説明しましょう。

摂食障害とは?

摂食障害

 

摂食障害とは、一時的に食欲がなくなったり、反対に食べ過ぎてしまったりといったものではなく、長期にわたって食事に関する異常が続くものです。
拒食症と過食症のどちらも摂食障害と言われます。
これらは反対のものだと思われがちですが、6割から7割の人が拒食症から過食症に移行したり、体型や体重に対する強いこだわりがあったりといった共通点があるため、進行具合が違う同じ疾患だと考えられているんです。
食べ物を食べても飲み込まずに吐いてしまう、という行為を行う人もいます。
また、摂食障害の人の半数以上にリストカットなどの自傷行為を行ったり、アルコールや薬物を乱用したりする行為が見られ、摂食障害と薬物依存、自傷行為には密接な関係があると考えられています。
摂食障害を、現代的な強迫神経症(強迫性障害)と言う人もいます。
特に、嘔吐を伴う人は例外なく強迫性障害だという事です。

 

フェリチン不足がなぜ摂食障害に繋がるの?

摂食障害
女性の多くは、痩せたいという願望を持っているでしょう。
最近では、男性でもダイエットをする人が増えています。

 

鉄分が足りない状態になる

特に、摂食障害の人は極端なまでに強い、痩せたいという願望を持っていたり、太ってしまう事に対する恐怖とまで言える感情を持っていたりするんです。
そういった人がダイエットのために食事制限をすると、食事から摂取する鉄分の量も減ってしまいます。

 

鉄分は、ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンといった神経伝達物質を作る酵素の補酵素として働いているんです。
その鉄分が不足してしまうんですから、これらの神経伝達物質も不足する事になります。

 

ドーパミンの量は、食欲の強弱と深い関連性がある事が実験によって確認されています。
ドーパミンが分泌されると、脳は快感を得る事が出来ます。
そのドーパミンがもたらす快感が強ければ食欲は抑えられますが、ドーパミンの分泌量が減少すると快感が弱くなり、食欲が増進されるんです。

 

ドーパミンが不足すると

摂食障害
ドーパミンが少ないと、いくら食べても快感を得る事が出来ないので、常に空腹感を持ち、満腹したという満足感を持ちにくくなりますので過食に走りやすくなってしまいます。
また、ドーパミンは物事への興味を司る働きもあるんですが、それが減る事で食事への興味を失って拒食症を引き起こす事もあるんです。

 

セロトニンが不足すると

セロトニンも食欲と大きな関わりを持つ神経伝達物質です。
セロトニンには摂食中枢を抑制したり、満腹中枢を刺激したりする働きがあるんです。
セロトニンが摂食中枢を抑制する事で、食欲が抑えられ、空腹時でも我慢できるようになります。
また、食事をして血糖値が上がるとセロトニンは満腹中枢に刺激を送り、食べるのを止めさせてくれるんです。

 

このセロトニンが鉄不足によって不足すると、摂食中枢の抑制機能も弱まり、食欲が暴走して過食になりやすくなります。

 

セロトニンとドーパミンは、片方が不足するともう片方も不足しやすくなります。
ですから、鉄分不足は食欲を異常に強めたり弱めたりして、摂食障害を引き起こすんです。
摂食障害の人は、セロトニンやドーパミンに障害があるという研究があります。

 

フェリチンを補えば、摂食障害は治る?体験談

摂食障害
ある女性は、太る事を恐れて食べてもすべて吐いてしまう、という生活を続けていました。
食べる事が好きなので、大量の食事を摂るんですが、それをすべて吐いてしまう過食嘔吐だったんです。
その結果、体重が33sにまで減ってしまったそうです。
その人は、強い疲労感を持ち、生理も止まってしまったので病院に行きました。
すると、フェリチンの値が4.1という極端に低い値だったそうです。

 

女性のフェリチンの基準値は、検査機関や医療機関によっても異なりますが、20〜100ng/ml程度とされていますから、この方のフェリチンの低さが分かりますね。
この方に、サプリメント療法と食事療法を施し、鉄分を十分に摂取するように指導したところ、7か月後にはフェリチン値が71.8にまで改善し、過食嘔吐も減少しました。
また、止まっていた生理も復活したんだそうです。

 

 

また、ある女性も同じように、過食こそしませんが太る事に恐怖心があり、食べても吐いてしまっていました。
極端なダイエットで一か月に6sも体重を落とし、その後、ストレスで体重が増加して、通常の量を食べても太ってしまうのではないか、という強迫観念が拭えなかったそうです。
食べては吐く事を繰り返しているので、体が常に飢餓状態のため、食べるとすぐに太ってしまいます。
そのため拒食症となり、体重は37sにまで減ってしまい、体調が悪く精神的にも不安定で、人混みに行くと1日中横になっていないと動けないほど体力がなくなってしまい、生理も止まってしまいました。

 

この方にも、亜鉛や鉄分の摂取などの栄養療法と、心理面でのサポートを行ったところ、2ヶ月後にフェリチン値が13.5から32.1に改善し、強迫観念も改善して摂食障害がなくなったそうです。
生理も再開し、疲れにくくなりました。

 

このように、フェリチンを補う事で摂食障害が治る例が多くあるんです。

 

さいごに

摂食障害

 

女性はスタイルを気にするものですし、特に近年の日本では痩せている方が美しい、という概念が蔓延しているため、食事制限をする女性が増えています。
しかし、それによってフェリチン値が低くなると、摂食障害を起こす危険性が高まってしまうんです。
摂食障害は、鬱やアルコール依存症などを引き起こしてしまう場合もあります。
極端に痩せる必要はありません。
バランスのとれた食事を心がけ、健康的な毎日を送るようにしましょう。